
甲状腺外来
甲状腺外来
甲状腺外来では、甲状腺ホルモンの分泌に異常をきたす甲状腺機能異常(バセドウ病・橋本病など)と甲状腺にしこりができる甲状腺腫瘍を専門的に診療します。
甲状腺は首の前側(喉仏の下あたり)にある重さ10-20グラムほどの小さな臓器ですが、全身の代謝や体の組織の成長と発達を支える、とても重要な役割を担っています。
症状は多彩で、首の腫れ・しこりのほか、動悸や体重の増減、疲れやすさ、気分の落ち込み、発汗異常など、一見すると他の病気と区別がつきにくいものも少なくありません。実際に、精神科を受診された方が、実は甲状腺の病気であったケースもあります。また女性においては甲状腺ホルモンの異常が不妊や流産とも関連することが知られています。
当院では、精神科と密に連携しながら、内分泌代謝科専門医による正確な診断と治療を行っています。診断には血液検査や甲状腺の超音波検査を基本とし、必要に応じて細胞診などの精密検査を追加します。細胞診が必要な場合には、連携している医療機関をご紹介しています。
動悸・息切れ、手の震え、暑がり、多汗、体重減少、イライラ、不眠、目の突出
強い疲労感、むくみ、寒がり、体重増加、便秘、皮膚の乾燥、うつ症状・記憶力低下
バセドウ病
バセドウ病は甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、代謝が活発になりすぎる「甲状腺機能亢進症」の中で最も代表的な疾患です。自身の臓器などを攻撃してしまう「自己抗体」により、過剰に甲状腺ホルモンを分泌させてしまいます。20-40歳代の女性に多く見られる病気で、発症には遺伝的要因やストレス・ウィルス感染・出産などが影響するのではないかと考えられています。動悸や体重減少、手の震え、発汗、眼球突出などが特徴です。
治療法としてはまずは原則として抗甲状腺薬による薬物療法です。経過や副作用の有無、ライフスタイルなどによって、放射性ヨウ素内用療法、手術等の治療方法を検討します。
橋本病(慢性甲状腺炎)
橋本病は甲状腺ホルモンが少なくなる「甲状腺機能低下症」の代表的な疾患です。甲状腺に対する「自己抗体」によって、甲状腺に炎症が起きる病気です。30-40歳代の女性に発症しやすい傾向があります。無症状のこともありますが、病気が進行すると甲状腺ホルモンが低下してくることがあります。
症状としては疲労感、寒がり、むくみ、気分の落ち込みなどが見られます。成人女性の10分の1人に橋本病がみられるという報告もありますが、橋本病の方が全員甲状腺機能低下症になるわけではありません。甲状腺機能低下症になるのは10-30%程度と言われています。甲状腺機能低下症を発症していれば、甲状腺ホルモン剤の内服を行います。妊娠を希望する場合や妊娠中は、甲状腺ホルモンの状態を適切に管理することが重要になります。
甲状腺腫瘍(良性・悪性)
甲状腺腫瘍は良性と悪性に分けられますが、多くが良性腫瘍です。良性腫瘍は原則的に経過観察ですが、悪性腫瘍(甲状腺がん)と診断された場合は適切な治療が必要になります。超音波検査や細胞診で診断し、必要に応じて手術や放射線治療を行います。
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